パラチノース®とは
パラチノースは、はちみつにも含まれる天然の糖質です。
砂糖と同じで、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)からなる二糖類の仲間です。砂糖とよく似た分子構造をしています。
大量生産するときには、酵素の力を使ってお砂糖から作っています。
パラチノース®の研究結果
血糖値・糖尿病に関する研究
健常者10名を対象とした50gの糖負荷試験※において、砂糖(スクロース)と比べて、パラチノースは摂取後の血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌量も節約出来るということが分かりました。
Horm. Metabol. Res., 21, 338-340 (1989)より作成
**:p<0.01 vs 砂糖(スクロース)
- ※糖負荷試験とは、糖を50gまたは75g摂取し、血糖値の上がり方を確認する試験です。特にブドウ糖負荷試験は糖尿病の診断に用いられています。
健常者50名を対象に、パラチノース+砂糖(スクロース)の混合品(1:1)を毎日40g使用した試験で、3ヵ月(12週間)後のインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)が改善することがわかりました。
International Journal of Food Sciences and Nutrition,
61(6), 643-651. (2010)より作成
**:p<0.01 vs 試験前
- ※インスリン抵抗性とは、インスリンの効きにくさのことです。糖尿病発症にはインスリン抵抗性が深く関係しています。HOMA-IRはそのインスリン抵抗性を表す指標です。
砂糖(スクロース)25gとパラチノース25gを同時に摂取すると、砂糖(スクロース)25g・50gを単独で摂取した場合と比較して、摂取後30分の血糖値上昇の抑制傾向がみられました。
精糖技術研究会誌 51 , 19-25, (2003)より作成
**:p<0.01 vs 砂糖(スクロース)
スポーツに関する研究
運動経験者10名を対象にした自転車インターバル走(15分×10回)の試験では、砂糖(スクロース)を溶かした飲料を飲んだ人と比べて、パラチノースを飲んだ人は血糖値がゆるやかに維持され、低血糖を防ぐことが出来ました。
The Journal of Nutrition, 137(5),
1143-1148. (2007)より作成
*:p<0.05 vs 砂糖(スクロース)
脂肪が燃焼する際に、血中脂肪酸の濃度が増えることがわかっています。
運動経験者10名を対象にした自転車インターバル走(15分×10回)の試験では、砂糖(スクロース)を溶かした飲料を飲んだ人と比べて、パラチノースを飲んだ人は血中の脂肪酸の濃度が増加することがわかりました。
The Journal of Nutrition,
137(5), 1143-1148. (2007)より作成
*:p<0.05 vs 砂糖(スクロース)
持久系自転車競技経験のある20名の男性アスリートを対象に、75gのパラチノースまたはマルトデキストリンを含む飲料(10%w/v)を摂取し、その45分後に60%VO2maxの強度で90分間のサイクリング運動を実施したのちにタイムトライアルテストを行いました。結果、呼吸交換比(RER)が運動中低く維持され、90分間での脂肪燃焼量が約400kcal多くなり、パラチノースが脂質酸化を促進し糖質酸化を抑制していました。
Agro Food Industry Hi-Tech Ⅸ-Ⅹ(2007) より作成
13名の男性アスリートを対象に、75gのパラチノースまたはスクロースを含む500mLの飲料を摂取した60分後に、60%VO2maxの運動強度で90分間の走行運動を行い、その後エルゴメーターで30秒間の30秒間全力ペダリング(ウィンゲートテスト)※を行いました。その結果、ウィンゲートテスト中のピーク―パワーと平均パワーはいずれもパラチノース飲料において有意に高値を示しました。
BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation, 15, 89, (2023)より作成
*p<0.05(vs対応する2群)
- ※ウィンゲートテストとは、30秒間全力で自転車を漕ぐことによってエネルギー供給能力を測る検査です。
満腹ホルモンに関する研究
2型糖尿病患者11名を対象とした試験では、体重1kgあたり1gのパラチノースは同じ量の砂糖(スクロース)と比べて満腹ホルモンGLP-1の分泌量が増えることが分かりました。
The American Journal of Clinical Nutrition,
100(4), 1059-1068. (2014)より作成
*:p<0.05 vs 砂糖(スクロース)
日本人肥満男性16名(BMI平均27)に対して20gのスクロースまたはパラチノースのクッキーテスト※では、パラチノースを同時摂取した場合のGLP-1分泌量は、スクロースを同時摂取した場合のクッキーテスト時に比べ有意に増加することが明らかとなりました。
- ※クッキーテストとは、被験者に一定量のクッキーを摂食してもらい、摂食前、摂取後1時間および2時間での採血を行う検査です。
New Food Industry,51,11, (2009) より作成
※p<0.01 vs 砂糖(スクロース)
脂肪蓄積・脂肪燃焼に関する研究
健常者10名を対象とした50gの糖負荷試験※において、砂糖(スクロース)と比べて、パラチノースは脂肪蓄積を促すホルモンGIPがほとんど分泌されないことが分かりました。15~90分の間の総GIP量を比べると、パラチノースは、砂糖より50%低くなることが分かりました。
Journal of Diabetes Investigation,
4, 281-286, (2013)より作成
**:p<0.01, *:p<0.05 vs 砂糖(スクロース)
海外在住の日系人肥満者30名を対象とした試験で、毎日使っている砂糖(スクロース)50gのうち、45gをパラチノースに置き換えたところ、普段通り砂糖を使っていた人は内臓脂肪面積が変化しなかったのに対し、パラチノースに置き換えた人は4ヶ月(16週間)後の内臓脂肪面積が減少しました。
Clinical and Experimental Pharmacology and
Physiology, 34.s1: S5-S7. (2007)より作成
*:p<0.05 vs 砂糖(スクロース)
海外の肥満者20名を対象とした試験では、朝食にブドウ糖と砂糖の混合品50gを使った人に比べて、パラチノース50gを使った人の方が安静時の脂質燃焼量が増えることがわかりました。
Nutrition 28, 6, 651-656. (2012)より作成
*:p<0.05 vs ブドウ糖(グルコース)+砂糖(スクロース)
集中力に関する研究
砂糖(スクロース)40gまたはパラチノース40gを摂取してから90min、150min後に系列記憶試験を行ったところ、パラチノースでは150min後もスコアが高く維持されることが分かりました。
精糖技術研究会誌 51, 19-25 (2003)より作成
*:p<0.05, **:p<0.01 vs 0分
40名の健常な日本人男女を対象とした試験で被験者の主観的な眠気を測定したところ、20gグルコースの摂取と比較して20gパラチノースを摂取した場合、有意に摂取後の眠気を抑制することが分かりました。
薬理と治療, 47(3),437-443, (2019)より作成
*p<0.05, **p<0.01 (vs. -60min); ##p<0.01 (vs. 対応する 2 群)
注意力・精神的疲労を測定する課題の応答時間を測定する試験、また同時に脳の血流量(脳活動量)を測定する試験において、10gのブドウ糖(グルコース)と比較して10gのパラチノースは応答反応の遅延を抑制し、脳活動を高く維持することがわかりました。
Brain research (2023)より作成
*p<0.05, **p<0.01(vs. 対応する 2 群)
血管に関する研究
10名の高齢者を対象にパラチノースまたはスクロース25gを摂取し、摂取90分後までの動脈スティフネス(動脈硬化度)の変化を測定した試験では、パラチノースは摂取後に動脈硬化度が増大しませんでした。
また、12週間の長期摂取を行った後に、75gのブドウ糖を摂取するOGTT試験を行った場合でも、パラチノースを摂取した群では動脈硬化度は増大しませんでした。これより、日常的にパラチノースを摂取することで動脈硬化を抑えることが分かりました。